スリナム
国旗のデザインの由来と意味
1975年、独立に先立って行われた公募デザインコンペの後、現在の国旗が選ばれました。旗をデザインしたのはジャック・ハーマン・ピナスという人物です。
上下の緑の帯は国土と豊かな森林資源、白は正義と自由、赤は独立、情熱、進歩、愛などをあらわし、中央の黄色い星は、主要5民族(白人、黒人、混血、華人、インディオ)の統合と国家の輝く未来をあらわしています。
独立前には、5つの星を黒い線で結ぶというユニークなデザインの旗を使っていました。
白地と楕円の線は民族の融合をあらわし、5つの星は、白は白人、黒は黒人、黄は華人、赤はインディオ、茶はクレオール(混血)をそれぞれあらわしていました。スリナムの複雑な民族構成を端的にあらわしている旗。
独立前の旗も現在の旗も、どちらも国家の民族構成を反映させています。
その背景には、17世紀にこの地の領有権をめぐってイギリスとオランダが激しく争い、1667年にオランダの植民地になったという歴史的経緯があります。そのぶん、スペインやポルトガル1国だけの支配を受けてきた他国よりも、人口構成が複雑になり多民族国家となりました。
スリナムの国名について
インディオの言葉「岩場の多い川(スリナム川)」に由来するという説が有力。「スリネン人」の名に由来するという説もある。
スリナムの歴史
スリナムは、南米最小の独立国です。16世紀から17世紀にかけて、イギリスとオランダがこの地の領有権を争っていましたが、結局オランダ領となりました。オランダはスリナムを獲得する際、その交換に、オランダ領だったニューアムステルダム(現在のニューヨーク)をイギリスに譲渡しています。
- 1499年 スペイン人が来航
- 16〜17世紀にイギリスとオランダの間で領有を巡り争いが続く
- 1667年 オランダ、スリナムを得るためにニューアムステルダムをイギリスに譲渡する
- 1815年 ウィーン会議でオランダ領が確定する
- 1954年 自治権を獲得し、オランダ領ギアナからオランダ領スリナムと改称
- 1975年 スリナム共和国として独立
- 1980年、1990年と軍人ボーターセによる2度のクーデターがあった
- 1982年 人権抑圧事件でオランダが経済援助をやめたため経済がとどこおった
- 1991年 民主的選挙で大統領を選出、民政にうつった
- しかし2010年の総選挙の後、国会はボーターセを大統領にえらぶ
- 2015年 総選挙で与党が過半数を得て、ボーターセが大統領に再選した
スリナムの国データ
正式名称 | スリナム共和国 |
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英語表記 | Republic of Suriname |
漢字表記 | 蘇里南 |
首都 | パラマリボ |
略号 | SUR |
面積 | 16万3820㎢(日本の約半分) |
人口 | 57万6000人 |
通貨 | スリナム・ドル |
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言語 | オランダ語、英語、スリナム語など |
民族 | ヒンドゥー系、クレオール系、ジャワ系、マルーン系、先住民、中国系、白人など |
宗教 | キリスト教(プロテスタント、カトリック)、ヒンドゥー教、イスラム教など |
独立年 | 1975年(オランダから) |
国旗の比率 | 2:3 |
在留邦人数 | 11人 |