ブルガリア
国旗のデザインの由来と意味
白は平和と自由を、緑は農業と森林を、赤は軍隊の勇気と闘争、愛国心をあらわします。
この三色旗は、トルコ(オスマン帝国)からの独立を支援した、ロシア(ロシア帝国)への敬意から、汎スラブ色の白・青・赤の配色の青を緑に変えて作られたものです。19世紀の後半、露土戦争(ロシア・トルコ戦争)を経て、自治権を認められた1878年に初めて国旗に制定されました。その後ブルガリアは、1908年にブルガリア王国として独立しました。
ブルガリア人民共和国の国旗
第二次世界大戦後の社会主義政権時代(1947-90)には、国土解放の象徴とされたライオン像と、農民をあらわす小麦の穂、工場労働者の歯車、社会主義勢力との団結をあらわした赤い星をあしらった国章が描かれていました。
その後、社会主義政権が崩壊したことで国章が取り除かれ、1990年に現在の旗🇧🇬に戻りました。
ブルガリアの国章
赤い野原にいる金色の冠をかぶったライオンが描かれた、赤い盾型紋章。
盾の上には、国旗カラーの盾飾りと、かつての皇帝の王冠。この紋章を、知恵をあらわす樫の枝の上に立つ2頭のライオンが支えています。3頭のライオンは、モエシア、トラキア、マケドニアの3地方をあらわします。
底部のリボンには、ブルガリア語で国の標語、「団結は強さを生み出す」が記されています。
ブルガリアの国名について
トルコ系とスラブ系の混血民族ブガール人に由来。「ボルガ下流域から来た人」という意味で、「ボルガ(大河)」に地名接尾語「-ia」が付いたもの。
ブルガリアの歴史(略史)
ブルガリアは、バルカン半島の東部、東側は黒海に臨む国です。小麦、トウモロコシ、葡萄などを栽培してきた伝統的な農業国で、香水の原料として使われるバラ油の生産は世界一。“バラ祭り”が開かれるバラの国としても知られています。
黒海の西岸にブルガリア王国が建国されたのは7世紀のこと。1242年の元の侵攻によって衰退したところを、1393年にオスマン帝国によって滅ぼされて以来、500年近くオスマン帝国に支配されました。19世紀後半にようやく民族運動が高まり、1878年に露土戦争(ロシア・トルコ戦争)にオスマン帝国が敗北したことをきっかけに、ブルガリアは自治公国となり、1908年にはブルガリア王国として独立しました。
1944年にはソ連が侵攻します。1946年、国民投票によって王制が廃止され共和制が成立、ソ連の衛星国家のブルガリア人民共和国となりましたが、1989年、共産党の一党独裁政権が崩壊。1990年には国名をブルガリア共和国と改めました。
- 7世紀頃、ブルガール人が移住し、第一次ブルガリア帝国をつくる。
- 11世紀にビザンツ帝国領となるが、1185年に第二次ブルガリア帝国が再興する。
- 14世紀末にはオスマン帝国の支配下に入り、多くのトルコ人が移住してイスラム教が入る。
- 19世紀後半の露土戦争(ロシア・トルコ戦争)の結果、ブルガリア公国が建てられ、1908年、王国として独立する。
- 第一次世界大戦、第二次世界大戦ともドイツ側についてやぶれ、1946年に社会主義のブルガリア人民共和国が成立。
- 1989年、民主化運動が高まり、共産党の一党独裁体制が倒れ、1990年に国名をブルガリア共和国に改める。2007年にはEU(ヨーロッパ連合)に加盟する。
ブルガリアの国データ
正式名称 | ブルガリア共和国 |
---|---|
英語表記 | Republic of Bulgaria |
漢字表記 | 勃牙利 |
首都 | ソフィア |
略号 | BGR |
面積 | 11万900㎢(日本の約3分の1) |
人口 | 708万人 |
通貨 | レフ |
---|---|
言語 | ブルガリア語 |
民族 | ブルガリア人、トルコ系、ロマ等 |
宗教 | キリスト教(ブルガリア正教、カトリック)、イスラム教など |
独立年 | 1908年にオスマン帝国から独立 |
国旗の比率 | 3:5 |
在留邦人数 | 138人 |