モンテネグロ
国旗のデザインの由来と意味
中央に、国章の双頭鷲が描かれた赤旗。19世紀にオスマン帝国との戦いで使われた、縁取りのある赤い軍旗がモデルになっています。
双頭の鷲は、古くから力と勇気、孤高をあらわす図柄です。バビロニアで崇敬の対象とされ、のちに古代ローマやビザンチン(東ローマ帝国)へと継承されました。以降、西洋と東洋の両方に目を配っているという意味があります。
鷲の上に載っている王冠は、ベネツィア共和国のシンボル「聖マルコのライオン」。これは、モンテネグロが1797年まで、地中海の超大国ベネツィア共和国の傘下にあったことを今に伝えています。ちなみに、王様のいない共和国の国旗に王冠が描かれているのは珍しく、サンマリノ🇸🇲とタジキスタン🇹🇯、そしてモンテネグロの国旗🇲🇪だけがこのパターンに当てはまります。
モンテネグロは、2006年に国民投票の結果を受け、セルビア・モンテネグロから分離・独立しました。独立を前に、2004年から使われていた現在の旗が国旗にされました。2007年には、国名を「モンテネグロ共和国」から「モンテネグロ」に改めました。
モンテネグロの国名について
「黒い山」という意味。ベネチア人がモンテネグロにあるロフツェンの山の姿を見て、「黒い山」と言ったことに由来している。
モンテネグロの歴史(略史)
- 7世紀頃、クロアチア人やセルビア人が定住を始める。
- 12世紀後半、ボスニア王国が成立。
- 15世紀にオスマン帝国の支配下に入り、イスラム教が広まる。
- 1908年、オーストラリア・ハンガリー帝国に併合され、1914年、サラエボでのオーストリア皇太子暗殺事件をきっかけに、第一次世界大戦が始まる。
- 1918年、セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国(セルブ=クロアート=スロヴェーン王国)が成立し、第二次世界大戦後の1945年、ユーゴスラビア連邦人民共和国内の一共和国となる。
- 1991年、連邦からの独立を宣言すると、その問題をめぐり、セルビア人、クロアチア人、イスラム教徒のボシュニャク人が対立し、激しい内戦に突入。
- 1995年に和平を結び、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とスルプスカ共和国からなる連合国家が成立した。
モンテネグロの国データ
正式名称 | モンテネグロ |
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英語表記 | Montenegro |
漢字表記 | 黒山 |
首都 | ポドゴリツァ |
略号 | MNE |
面積 | 1万3812㎢(福島県とほぼ同じ) |
人口 | 62万人 |
通貨 | ユーロ |
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言語 | モンテネグロ語、セルビア語など |
民族 | モンテネグロ人、セルビア人、ボシュニャク人、アルバニア人など |
宗教 | キリスト教(正教)、イスラム教など |
独立年 | 2006年にセルビア・モンテネグロから分離独立 |
国旗の比率 | 1:2 |
在留邦人数 | 27人 |