世界の国旗、鳥や動物はどんな意味?

世界の国旗の中には、鳥や動物もたくさん登場しています。上の画像の鳥や動物は、どの国旗に使われているものかわかりますか?
(答えは記事の最後をご覧ください)

古代から、旗や紋章にはいろいろな動物が描かれてきました。鷲(ワシ)や獅子(ライオン)、龍といった図柄には、それぞれが持つ神聖な力があらわされています。また、その国にたくさんいる動物や、国を代表する動物が描かれることもあります。
どんな動物がいるのか見ていきましょう。

国旗に一番登場する動物は(ワシ)で、次に多いのが獅子(ライオン)です。
国旗の用語と基礎知識①旗と紋章で紹介しているように、旗はもともと紋章と強い関わりを持っていました。ですから旗のデザインにも、紋章でよく使われてきた動物が出てくるんです。
鷲と獅子はその中でも群を抜いてたくさん使われた動物図案。特に獅子は絶大な人気がありました。

獅子(ライオン)のシンボル

世界の国旗の中で一番大きく獅子が描かれているのが、スリランカの国旗です。


百獣の王と呼ばれてきた獅子は、古代オリエントの時代から力や魔除けの象徴とされていました。エジプトのスフィンクスや日本の神社にある狛犬(こまいぬ)も、元々は獅子がモチーフになっています。

紋章ができてからは王権・権力の象徴とされ、旗のデザインにもたくさん使われてきました。


しかし19世紀後半以降、獅子を使った旗は少なくなりました。
理由をひとことで言うなら、時代が変わったからです。王権や権力、支配をあらわす獅子のシンボルは、国民に主権がある近代的な国にはふさわしくありません。世界が革命の時代を経て市民国家への衣替えが進んだ結果、国旗からは徐々に姿を消しています。


獅子(ライオン)が登場する国旗や紋章、国章とその説明をまとめた画像/パラグアイ、スペイン、フィジー、イングランド王の紋章、ハプスブルク家の紋章、ノルウェーの国章、デンマークの国章

獅子が登場する国旗や紋章

先に紹介したスリランカの国旗では、獅子は民族の祖先をあらわすシンボルとして描かれているので、国の体制にかかわらず使われ続けています。また、デンマークやノルウェー、スウェーデンなど王家を持つヨーロッパ諸国の国章では今でも変わらず見ることができます。


鷲(ワシ)のシンボル


鷲は、国旗にもっともたくさん登場する動物です。力と勇気、孤高をあらわすといわれ、力強く華麗なイメージや見栄えの良さから、紋章や旗に使われる鳥の中でも定番になりました。その中でも、頭が二つある「双頭の鷲」と、頭がひとつの「単頭鷲」があります。

このモンテネグロの国旗に描かれているのは「双頭の鷲」。盾の中には獅子も登場しています。


鷲(ワシ)が描かれている9つの国旗のイラストと、それぞれのワシの名前、意味、由来をまとめた画像。セルビアの双頭の鷲、アルバニアの双頭の鷲、オーストリア(政府旗)の単頭鷲、カザフスタンのベクルート(草原鷲)、ザンビアの三色海鷲、アメリカ領ヴァージン諸島のハクトウワシ、モルドバの紋章の鷲、メキシコの蛇をくわえた鷲、エジプトのサラディンのワシ。

ワシが描かれている国旗


「双頭の鷲」も、古代から使われている図柄です。ローマ帝国以降は、東洋と西洋のさかいで両方を睨み支配するとして、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)や神聖ローマ帝国の紋章として使われてきました。

現在は単頭鷲が主流となっていますが、双頭の鷲はローマ帝国の後継者として、ロシアやセルビア、ギリシア正教会などに受け継がれています。


さまざまな鳥のシンボル


鷲の他にも、世界の国旗にはいろいろな鳥が描かれています。インコやコンドル、ツルにハト、なんと鳥の彫像まで。


色々な鳥が描かれている9つの国旗のイラストと、それぞれの鳥、国鳥の名前、意味、由来をまとめた画像。ドミニカ国のミカドボウシインコ、エクアドルのアンデスコンドル、グアテマラのケツァール、ジンバブエの彫像の鳥、ボリビアのアンデスコンドル、ウガンダのホオジロカンムリヅル、キリバスの軍艦鳥、フィジーのハト、パプワニューギニアの極楽鳥。

いろいろな鳥が描かれている国旗

国鳥(国の象徴とされている鳥)を描いた国旗が特に多いですね。大抵、その国を代表する鳥や、国民に親しまれている鳥が国鳥に選ばれます。


おもしろい例だと、ウガンダの国旗のホオジロカンムリヅルは、「今までウガンダの歴代王朝や民族が一度もシンボルに使った例がない」という理由で国鳥に選ばれました。また、グアテマラの国鳥ケツァール(カザリキヌバネドリ)は、手塚治虫の漫画『火の鳥』のモデルにもなった鳥です。飼育がとても難しく捕らえるとすぐに死んでしまうことが多いため、自由のシンボルとされています。


その他の動物のシンボル


獅子と鳥以外の動物が描かれている4つの国旗イラストと、何の動物が使われているか、意味や由来をまとめた画像。ブータンの龍、アンドラの牛2頭、ペルーのビクーニャ(リャマ)。クロアチアの5つの地域の紋章部分の拡大図から、黄金のヒョウ、オスのヤギ、黒いテン。

獅子と鳥以外の動物が描かれた国旗


ブータンの国旗には、想像上の生き物である龍の絵がリアルに描かれています。「ブータン(ドゥク ユル)」はゾンガ語で「雷竜の国」を意味する言葉。その昔、ブータンの人々は、天から鳴り響く雷の音を龍の鳴き声だと信じていて、龍を国の守り神と考えていました。世界では珍しいユニークな国旗ですが、実はシンプルに国名を反映した国旗です。

また、ペルーの国章に描かれているビクーニャはアンデス原産のラクダ科の家畜。日本ではあまり馴染みがない動物ですね。体高が1.2mと、近い種のアルパカよりひとまわり大きく、また刈り取った毛を原料にして作る毛織物は高級品になるそうです。


はい。ここまで、国旗のデザインに使われているさまざまな動物を見てきました。
こうしてあらためて見ると、鳥や動物は小さく描かれていることがほとんどです。特に国章の中に登場する場合が多いので、気をつけて見ないと気づかず見過ごしてしまいます。

でもその動物が描かれているのには、必ずその国ならではの理由があります。国旗を見るときには、その中の小さな鳥や動物に是非注目してみてください。


冒頭のクイズの答え

左上から (1)クロアチア (2)メキシコ (3)セルビア (4)スペイン (5)ザンビア (6)エクアドル
(7)ペルー (8)パラグアイ※国旗の裏面 (9)ウガンダ (10)ドミニカ国 (11)フィジー


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