モルドバ
国旗のデザインの由来と意味
青は民主主義を、黄色は伝統を、赤は平等をあらわします。また、縦の三色旗で、この国の過去・現在・未来をあらわしています。
モルドバは、古くから隣国ルーマニアの勢力圏内にあった国。ルーマニアへの帰属意識が高く、1990年に制定されたこの国旗も、ルーマニアの国旗🇷🇴を意識したものです。中央に紋章を加えて違いを強調していますが、民間では紋章がない旗が使われるため、縦横比が違うことを除けば、ルーマニアの国旗と同じデザインになります。(モルドバの国旗は1:2、ルーマニアの国旗は2:3の縦横比です。)
中央に置かれた国章の、十字架をくわえた鷲はルーマニアの国章にも見られる図柄で、ワラキア公国(現在のルーマニア南部)の紋章に由来しています。
モルドバの国章
黄色の縁取りのある盾型紋章。黄色い十字架を咥えている鳥は、ルーマニアの国章と同じワラキアの鷲。
国旗カラーの盾には、牛の頭、バラの花、8つの光を放つ光が描かれていて、それぞれモルダビア公国の紋章に由来しています。鷲は足で、オリーブの枝と笏(しゃく・飾りを付けた杖)を掴んでいます。
モルドバの国名について
スラブ語で「黒い川」の意味を持つモルドバ川に由来するという説と、ダキア語の「mola(多い)」と「dava(砦)」の組み合わせという説がある。
モルドバの歴史(略史)
モルドバは、ウクライナとルーマニアに挟まれた小国です。この地では、14世紀にモルダビア公国が成立。以降、トルコとロシア、ルーマニアの間で領土の占領や併合が繰り返されてきました。
第二次世界大戦中の1940年にソ連が占領し、モルダビア・ソビエト社会主義共和国が成立。ソビエト連邦内の一部となりますが、1991年のソ連解体に伴って独立しました。言語的にも文化的にもルーマニアに近い国です。
- 古くはダキア人が王国を築いていたが、ローマ帝国に滅ぼされた。
- 14世紀半ば、モルダビア公国が成立。16世紀初め、オスマン帝国の支配下に入る。18世紀後半からロシアとオスマン帝国が領土をめぐって争い、露土戦争(ロシア・トルコ戦争)後の1812年、ロシアに編入された。
- ロシア革命後、モルダビア民主共和国が成立。1918年にルーマニアに編入される。
- 1940年、モルダビア・ソビエト社会主義共和国が成立し、ソ連邦内の共和国となる。
- 1991年、国名をモルドバ共和国に改めて独立。翌年、国連に加盟する。
- ロシア系が多く住む東部のドニエストル地区や、トルコ系のガガウズ人が住む南部では、独立運動が起こっている。
モルドバの国データ
正式名称 | モルドバ共和国 |
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英語表記 | Republic of Moldova |
漢字表記 | 摩爾多瓦 |
首都 | キシニョフ(モルドバ語でキシナウ) |
略号 | MDA |
面積 | 3万3843㎢(九州よりやや小さい) |
人口 | 268万2000人 |
通貨 | モルドバ・レイ |
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言語 | モルドバ(ルーマニア)語、ロシア語 |
民族 | モルドバ(ルーマニア)人、ウクライナ人、ロシア人、ガガウス(トルコ系)人など |
宗教 | キリスト教(ルーマニア正教会、ロシア正教会系のモルドバ正教会)など |
独立年 | 1991年にソ連邦から独立 |
国旗の比率 | 1:2 |
在留邦人数 | 25人 |