モルディブ
国旗のデザインの由来と意味
赤はアラブ人が古くから、インド洋交易の拠点とした地域(湾岸地域やオマーンなど)で使ってきた伝統色で、国民の英雄的な勇気をあらわします。緑はイスラムの伝統色で、平和と繁栄、モルディブの島々に生息するココヤシの木をあらわしています。また三日月のシンボルもイスラム教の象徴。
赤・緑・三日月で構成されたこの旗のデザインは、モルディブがまぎれもなくイスラム教国であることを物語っています。
モルディブの国旗の歴
かつてこの地域は、スルタンによって無地の赤旗が使われていました。
その後、1903年に、旗竿側に白・黒の斜めの縞模様が、1932年には中央に三日月が描かれました。
さらにその後、三日月の背景に緑色の長方形が埋め込まれ、三日月の向きが変わります。
そして1965年、モルディブが独立国となったときに縞模様が取り除かれ、現在の国旗になりました。
赤1色の旗から、少しずつ変化して現在のデザインとなったのがよくわかりますね。
モルディブの国章
イスラム教のシンボルとなっている三日月と星、モルディブの代表的な輸出産物であるココヤシの木、そして国旗が組み合わさったデザインの国章。
薄紫のリボンの中には、16世紀に使われた国名「マハル・ディビャット」がアラビア文字ディベヒ語で記されています。
1965年、「モルディブ・スルタン国」として独立した時に制定され、1968年に現在の「モルディブ共和国」へと国名を改めてからも変わらずに使用されています。
モルディブの国名について
現地語で「小高い島」を意味する。インド洋に浮かぶ1000以上のサンゴ礁の島々が連なり、いくつかの環礁郡があることから「島々の花輪」という意味もある。
モルディブの歴史(略史)
モルディブは、インドとスリランカの南西の海(インド洋)に浮かぶ、19の環礁と約1200の島々からなる国です。といっても、人が住んでいる島は200程度。古くから南西インドやスリランカから人々が移り住み、インド洋貿易の拠点のひとつとなりました。
世界でもっとも海抜が低い国で、もっとも高いところでもわずか2.5mほど。
2009年、モルディブ政府は、亡国の危機と地球温暖化の脅威を訴えるために海中閣議を行いました。この海中閣議は、海底に会議用の机が並べられ、ホワイトボードと手信号を使って進められました。ほぼ会話をせずに、いろいろなことを決めることが出来たそうです。
このまま海面上昇が進めば、モルディブは2100年までに海面水位が18~59センチ上昇し、事実上居住不可能になるとの報告を発表しています。
参考記事:モルディブで「海中閣議」、温暖化の脅威訴える 写真7枚 国際ニュース:AFPBB News
- 古くから南西インドやスリランカから人々が移り住み、インド洋貿易の拠点のひとつとなる。
- 紀元前3世紀には仏教が伝わる。
- 6〜7世紀にはイラン系民族が進出し、8〜10世紀にはアラブ系やイスラム世界の商人も交易のために来航。
- 12世紀になると、国王がイスラム教に改宗する。
- 16世紀にはポルトガルに占領され、17世紀にはオランダ、18世紀末にはセイロンの支配を引き継いだイギリスの保護領となる。
- 1965年に独立し、国際連合にも加盟。1968年、王制から共和制に移る。
- 独裁体制が長く続いたが、2004年に民主化が進み、2008年に憲法が制定される。同年の大統領選により、独裁体制は終わる。
- 非同盟中立政策をとるが、1988年、ある実業家が約200人のスリランカ人を雇ってクーデターを敢行。その鎮圧にインド軍の派遣を求めて以来、インドとの関係が深まっている。
- 2016年、イギリス連邦から離脱したが、2020年に再加盟した。
モルディブの国データ
正式名称 | モルディブ共和国 |
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英語表記 | Republic of Maldives |
漢字表記 | 馬爾代夫 |
首都 | マレ |
略号 | MDV |
面積 | 298万㎢(東京23区の約半分) |
人口 | 40万7000人 |
通貨 | ルフィア |
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言語 | ディベヒ語 |
民族 | モルディブ人 |
宗教 | イスラム教 |
独立年 | 1965年にイギリスから独立 |
国旗の比率 | 2:3 |
在留邦人数 | 177人 |