ハンガリー
国旗のデザインの由来と意味
赤は過去の戦いで流された尊い血や強さを、白は忠誠心や平和を、緑は希望をあらわします。
またこの3色はハンガリーの古い紋章に由来していて、そのデザインは現在の国章にも使われています。(緑の3つの丘の上に、白い二重の十字架を描いた赤い盾の紋章)
ハンガリーはドイツ系やスラブ系の国々に囲まれながら、アジア系のマジャール人が定着し建てた国です。17世紀末にはオーストリアの支配下になりましたが、18世紀になって独立運動が盛んになり、1848年、英雄コシュートが率いる独立戦争ではこの三色旗が掲げられました。
社会主義体制になり、「ハンガリー人民共和国」となった1949年には、旗の中央に小麦とハンマーの国章が描かれました。
ハンガリー人民共和国の国旗
赤いひとつ星は革命と社会主義建設への団結を、麦の穂が囲むハンマーと小麦は、工業労働者と農民の労働者階級をあらわします。
1956年、ハンガリー動乱(ソ連のスターリン批判後にハンガリーで起こった、自由化を求める暴動)の後、国旗から政治色を排除して国民の気持ちを和らげようと、国章が取り除かれました。
1989年、共産党の一党支配が倒されてハンガリー共和国となり、さらに2012年には、ハンガリーへと国名を変更しました。
ハンガリーの国名について
東から来てこの地に住み着いたフン族の名に由来するという説が有力。
ハンガリーの歴史
- 9世紀末に遊牧民のマジャール人(ハンガリー人)が移住。
- 1000年、イシュトバーン1世のもとでハンガリー王国が成立。
- 13世紀半ばにモンゴル軍に攻められたが、14〜15世紀には東ヨーロッパの強国となる。
- 1526年にオスマン帝国軍と戦ってやぶれ、中部と南部はオスマン帝国の、北部と西部はオーストリアの支配下に入る。
- 1867年、オーストリア・ハンガリー帝国が成立。
- 第一次世界大戦ではドイツ側についてやぶれ、領土の3分の2を失う。
- 第二次世界大戦中、ドイツ軍に占領されるが、ソ連により解放される。
- 戦後の1949年、社会主義のハンガリー人民共和国となる。
- 1989年に共産党の一党支配が倒され、ハンガリー共和国が成立。
- 2004年、EU(ヨーロッパ連合)に加盟する。
ハンガリーの国データ
正式名称 | ハンガリー |
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英語表記 | Hungary |
漢字表記 | 洪牙利(略記:洪) |
首都 | ブタペスト |
略号 | HUN |
面積 | 9万3000㎢(日本の約4分の1) |
人口 | 980万人 |
通貨 | フォリント |
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言語 | ハンガリー語 |
民族 | ハンガリー人、ロマ人、ドイツ人 |
宗教 | キリスト教(ルター派) |
独立年 | 1000年にハンガリー王国建国 |
国旗の比率 | 1:2 |
在留邦人数 | 1691人 |