オランダ
国旗のデザインの由来と歴史
オランダの国旗は諸侯旗(プリンセン・フラッグ)と呼ばれていて、世界で最初の三色旗として有名です。赤は国民の勇気、白は神への信仰心、青は祖国への忠誠心をあらわしています。
国旗の原型は、スペインからの独立戦争時(1568年-1648年)に、オラニエ公ウィリアムのもとで戦ったオランダ兵士が、独立を目指し掲げたもの。このオラニエ公(オラニエ家)の紋章が、オレンジ・白・青の配色でした。国旗に使われている赤色は、最初はオレンジだったのです。
しかし、当時オレンジの染料は退色しやすく、海の上では識別しにくいという欠点がありました。
1581年の独立宣言後、1596年にはオレンジを赤に変更したいという嘆願書が議会に提出されます。その後、徐々にオレンジから赤への塗り替え作業が進められました。
1937年、ウィルヘルミナ女王によって、正式に今の赤・白・青の国旗になりましたが、現在もオレンジはオランダの色で、オラニエ家に特別な想いを持っている人々は今でも、赤ではなくオレンジ色の三色旗を使うことがあります。
この旗は自由のシンボルとして、フランス、ロシアやその他のスラブ諸国、ヨーロッパ諸国の国旗に大きな影響を与えました。17世紀末にロシアのピョートル大帝が、この旗を近代国家の規範として称え国旗のデザインを参考にしたことがよく知られています。
またオランダからの移住者によって、旧南アフリカの国旗のベースにもなりました。かつてのオランダの植民地だった国や地域の旗にも影響を与えています。
オランダは、国土の4分の1が海面下にある小国で資源に乏しいものの、独立後の17世紀にはヨーロッパ屈指の海上帝国として発展を遂げました。
日本の鎖国時代にも交易があったオランダからは、当時の世界の国旗についての書物が次々と流入したそうです。そして日本の浮世絵や版画の技術で、たくさんの国旗が印刷・出版され日本人に伝えられました。
オランダの国データ
正式名称 | オランダ王国 |
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英語表記 | Kingdom of the Netherlands |
漢字表記 | 和蘭、もしくは阿蘭陀(略記:蘭) |
首都 | アムステルダム |
略号 | NLD |
面積 | 4万1864㎢(九州とほぼ同じ) |
人口 | 1738万4000人 |
通貨 | ユーロ |
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言語 | オランダ語 |
民族 | オランダ人(ゲルマン民族) |
宗教 | キリスト教(カトリック、プロテスタント)、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教など |
独立年 | 1648年(スペインから独立) |
国旗の比率 | 7:11 |
在留邦人数 | 9223人 |