マルタ


国旗のデザインの由来と意味


は純潔と信仰心を、は情熱と犠牲をあらわします。
この2色は、1090年にイスラム勢力からマルタを解放した、ノルマン公ロジャー伯の旗に由来するといわれています。

カントン部分にあるのは、イギリスから贈られた聖ジョージ勲章。赤で縁取りされた十字の中に、イングランドの守護聖人である聖ジョージ聖ゲオルギウスがドラゴンを退治した伝説が描かれています。

これは第二次世界大戦中、ナチス軍とイタリア軍からの猛攻に耐え抜いたマルタ国民の勇敢な行動に対して、イギリスのジョージ6世から贈られたものです。

イギリスの保護領だったマルタには、勲章が贈られるととともに、独自の旗を使うことが許可されました。そしてマルタの域旗は、カントン部分にユニオン・ジャックが置かれた旗から、勲章入りの全く違うデザインに生まれ変わったのです。


イギリス領マルタ域旗(1815-75)


イギリス領マルタ域旗(1944-64)


当時は、聖ジョージ勲章の背景が青色でしたが、1964年にイギリス連邦内の一員として独立したとき、この青色が省かれて十字には赤い縁取りが施されました。

余談ですが、聖ジョージ勲章をマルタに贈ったジョージ6世というのは、映画『英国王のスピーチ』のモデルとなった君主。エリザベス女王の父に当たり、映画『ウィンストン チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』や、Netflixのドラマ『ザ・クラウン』にも登場しています。


マルタの国章


盾の中に、国旗のデザインを配した縦型紋章。

盾の上にあるのは、黄色の城壁の形をした王冠。これは城塞都市バレッタをあらわします。

盾の周りに、平和をあらわすオリーブの枝のリースと、祝福をあらわすヤシの葉のリース。下の国旗カラーのリボンには、マルタ語で国名が記されています。


マルタの国名について

フェニキア語で「避難所、安全な国、港」を意味する「melita(メリタ)」が由来。


マルタ騎士団とは?


マルタ十字が描かれた、マルタ騎士団の紋章

マルタ騎士団とは、テンプル騎士団、ドイツ騎士団とともに、中世ヨーロッパの3大騎士団のひとつ。3大騎士団の中で唯一まだ存在している、カトリック修道会の騎士団であり、なんと国でもあるんです。


なぜマルタ共和国とマルタ騎士団が違う国なのかというと、それはマルタ騎士団が、1798年にナポレオンによってマルタ島を追われたことから始まります。時を経て、マルタ島に住み着いた人々が、マルタ騎士団とは別の国家、マルタ共和国を設立したのです。

マルタ騎士団の首都はローマにあり、騎士団の本部ビルを保有し、バチカンのようにイタリアから独立領土として承認されてはいませんが、建物内は治外法権が認められた領域で、実質領土は持っていないという特異な国となっています。

騎士団というと、盾と剣を持って戦うイメージがありますが、マルタ騎士団の前身である聖ヨハネ騎士団はもともと、聖地エルサレムに巡礼するキリスト教徒のために誕生したコミュニティで、巡礼者の安全の確保と医療奉仕を中心に活動していました。しかし当時、ヨーロッパでは十字軍の遠征が行われていたので、そのうちに戦いにも駆り出されるようになり、16世紀までイスラム勢力と戦いました。


聖ヨハネ騎士団の旗

彼らは赤地に白十字を描いた旗を使っていました。デンマークやスイスなどと同じく、神聖ローマ帝国によるキリスト教布教用の軍旗に由来したものと考えられています。


1565年に起きた有名な一戦、いわゆるアッコン包囲戦では、およそ8倍の兵力差があったにもかかわらず、オスマン帝国大軍を撃退。当時のマルタ騎士団長ジャン・ド・ヴァレットは、オスマン帝国から島を守り抜いた英雄となり、現在のマルタの首都バレッタには彼の名が付けられています。

マルタ騎士団 公式サイト Sovereign Order of Malta - Official website
参考記事:マルタ騎士団の歴史と成り立ちをご紹介 | マルタ留学FUN!
参考記事:奇跡!マルタ騎士団がヨーロッパを救ったオスマン帝国との戦い|マルタフィリグリー


マルタの歴史(略史)


マルタは、地中海の島国です。天然の良港で、紀元前800年頃にはすでにフェニキア人による地中海貿易で栄えていました。

海上交通の要港となるため、古くから数々の民族の支配を受けますが、1814年からはイギリスの植民地となり、1964年にイギリス連邦の一員として独立しました。
1974年には共和制へと移行しています。

  • 紀元前800年頃から、交易の中継地としてフェニキア、カタルゴ、ローマなどの植民地とされ発展した。
  • 5世紀からビザンツ帝国、9世紀からアラブ人に支配され、アラブ文化がいきわたる。
  • 1530年にヨハネ騎士団(のちのマルタ騎士団)が、神聖ローマ皇帝カール5世からこの地を与えられて移住。
  • 1565年にオスマン帝国に攻撃されたときは、城塞都市バレッタを築いて対抗した。
  • 1798年、フランスのナポレオン軍がエジプトに遠征するときに攻め入る。
  • 1800年にはイギリスが占領して、イギリス海軍の基地となり、1815年にイギリス領になる。
  • 1947年、自治政府が成立し、1964年にイギリス連邦内のひとつの国として独立。1974年には共和制に移行。
  • 2004年、EU(ヨーロッパ連合)に加盟する。

マルタの国データ



正式名称 マルタ共和国
英語表記 Republic of Malta
漢字表記 馬耳他
首都 バレッタ
略号 MLT
面積 316㎢(淡路島の約半分)
人口 43万人


通貨 ユーロ
言語 マルタ語、英語
民族 マルタ人
宗教 キリスト教(カトリック)
独立年 1964年にイギリスから独立
国旗の比率 2:3
在留邦人数
167人

Information


マルタ
国旗(3:5)


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