レソト


国旗のデザインの由来と意味


は雨、は平和、は国土と繁栄、はアフリカ大陸をあらわします。
中央に置かれたシンボルは、民族の伝統衣装である麦わら細工の帽子、バソト帽「mokorotlo(モコロトロ)」。

帽子の国といわれるレソトでは、多くの人が帽子をかぶっています。 特に、トンガリ帽子のバソト帽(バストハット)は、ブランケットとともに伝統衣装として知られ、お土産としても人気を博しています。

現在の国旗は、2006年に制定されたデザイン。独立40周年を記念し、青・白・緑の三色旗の中央に、もともと独立時の国旗にあったバソト帽が再びあしらわれたものが採用されました。ちなみにレソトでは、南アフリカアメリカに売る水が重要な収入源となっています。と、それを育てる雨に通じるが、繁栄を象徴しているのですね。


レソトの国章


濃い茶色の盾型紋章。盾の中には、王家をあらわす青いワニ、背後に交差した槍と棍棒、ダチョウの羽根を飾り、両側で2頭のポニーが盾を支えています。
台座になっているのは緑のターバプトソア山。下の茶色いリボンには、ソト語で「Khotso, Pula, Nala(平和・雨・繁栄)」と記されています。


この構図は、ソト族王家が19世紀から用いてきた紋章と同じですが、以前は盾やリボンが黄色でした。


レソトの国名について

国民の大多数を占めるソト人に由来。バントゥー語で「国、土地」を意味する定冠詞の「le」と「ソト人」を意味する「Sotho」からなる。「ソト人の土地」という意味。


レソトの国旗の歴史


ヨーロッパ列強国の進出が激しくなった19世紀末。当時イギリスは、ケープ植民地をめぐってオランダと敵対していました。

この地にあったバソト王国は、ブール人(ボーア人ともいう。オランダ系白人移民のこと)の侵略に対抗するためイギリスに保護を求め、イギリスの保護領となります。1868年に「イギリス領バストランド」となり、1951年には域旗が制定されました。


イギリス領バストランドの域旗(1951-66)

当時の旗は、ワニと、2束の小麦、羊が描かれた、域章の盾部分が白い円内に置かれた、ブルー・エンサイン(イギリス青色船舶旗)


第二次世界大戦後の1950年代末頃からは、独立運動が高まってきました。1959年には自治権を獲得し、1966年、レソト王国はイギリス連邦の一員として独立。当時の国旗にはバソト帽が白いシルエットで使われていました。バソト帽は王権の象徴でもあるといわれています。


レソト王国の国旗(1966-87)

しかし、国王と首相が対立し、国王がオランダに亡命。1986年には軍人レハンヤがクーデターを起こし、軍事政権が成立します。そして翌年、国旗が変更されました。


レソト王国の国旗(1987-2006)

左上に、ソト人の伝統的な武具を様式化したシンボルが置かれた白・青・緑の斜めの三分割旗。武具は、エスワティニの国旗🇸🇿にもみられる、アッサガイという投げ槍、盾、ノブケリーと呼ぶ投げ棒。


国土の防衛を象徴したデザインで、は平和を、は雨と空を、は国土と豊かさを、茶色は信頼を、それぞれあらわしていました。

その後、1993年に政権が民政に移管されましたが、国旗のデザインは継続して使われました。そして2006年、独立40周年を迎えたレソトでは、記念に国旗のデザインを変更しました。青・白・緑の三色旗が新たに制定され、旗の中央に独立時の国旗にあしらわれていたバソト帽が再び復活。現在の国旗🇱🇸となりました。


レソトの歴史(略史)


レソトは、アフリカ大陸南部にあり、四方を南アフリカ共和国に囲まれた、山がちな内陸国です。(南アフリカ共和国の中に、全く別の国レソト王国があるような形。)
国土の大半が標高1600m以上の高原上に開けていて、温暖な湿帯気候、美しい風景にめぐまれ風光明媚なことから「アフリカのスイス」や「天空の王国」とも呼ばれています。


  • 狩猟採集のサン人(ブッシュマン)が住んでいたこの地に、16世紀頃にソト人が移住し、19世紀前半に王国をつくった。
  • オランダ系入植者のブール人が進出してきたため、国王はイギリスに保護を求め、1868年にイギリス領バストランドとなる。
  • 第二次世界大戦後の1950年代末頃から独立運動が高まり、1966年にイギリス連邦内のレソト王国として独立したが、国王と首相が対立し、国王はオランダに亡命した。
  • 1986年に軍部がクーデターを起こし、帰国した国王を国家元首とする軍事政権を打ち立てるが、国王は政府と対立し、1991年にふたたびイギリスに亡命。
  • 王位を継いだ長男のレツィエ3世が1994年にクーデターを起こして議会の停止などを宣言すると、抗議デモが起こるなど、政情は不安定になる。

レソトの国データ



正式名称 レソト王国
英語表記 Kingdom of Lesotho
漢字表記 礼素戸
首都 マセル
略号 BWA
面積 3万㎢(九州の約0.7倍)
人口 211万人


通貨 ロチ
言語 英語、ソト語
民族 バソト族
宗教 キリスト教など
独立年 1966年にイギリスから独立
国旗の比率 2:3
在留邦人数
5人

Information


LESOTHO
(3:5)


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