ウズベキスタン


国旗のデザインの由来と意味


はトルコ系民族の伝統色で、澄み切った空と生命の源である水をあらわします。
は平和と純粋さを、は新しい生活と自然を、は民衆の生命力をあらわしています。

三日月はイスラム教の象徴。12個のは、1年が12ヵ月であることや十二宮のような完全無欠さをあらわします。また一説には、1年をほぼ正確に12等分した、かつてのティムール朝のウグル・ベク天文台の高度な天文技術を称えているともいわれています。
ティムール朝の第4代君主ウグル・ベクは、かつてこの地でティムール朝を建国した軍事の天才ティムールの孫で、優れた天文学者でした。彼の時代に築かれた「ウルグ・ベク天文台」と「ウルグ・ベク・マドラサ」には多くの学者が集まり、天文学において世界最先端の研究をしていたことで知られています。

12が完全性をあらわす理由

「12」という数字が完全無欠さをあらわす。という考え方は、例えば他にも、時計の「12時」、キリストの「十二使徒」、オリンポスの「十二神」など、多数の事柄に取り入れられています。

これは一説には、12という数字が、争いなく物を分けるのに便利な数だからだといいます。1、2、3、4、6、12と多くの約数があるため、さまざまな人数に平等に分けやすく、ダースやグロス、1フィート=12インチといった単位としても使われました。そこから、「12」という数字が、完全性や充実の象徴と考えられるようになりました。
世界の旗でいうと、同じような解釈に立ってEU(ヨーロッパ連合)の旗にも12の星が見られます。

ウズベキスタンは、かつてはソビエト連邦を構成するひとつの共和国でしたが、1991年のソ連崩壊にともなって独立を宣言。同年、現在の国旗🇺🇿を制定しました。


ウズベク・ソビエト社会主義共和国の国旗


ウズベク・ソビエト
社会主義共和国の国旗(1952-91)

ソ連時代の国旗は、中央に2本の白い輪郭線を付けた青い横縞、カントンに黄色い鎌と槌、輪郭線の五角星を置いた赤旗でした。


ウズベキスタンの国章


幸運をあらわすという伝説の鳥フモが翼を広げる、社会主義国型国章。
上部にあるのは、ルブ・エル・ヒズブという三日月と星を入れた八芒星型のイスラムのシンボルです。伝説の鳥フモの背景には、テンシャン山脈、アムダリア川、シルダリア川、日の出が描かれています。周りを囲むのは、農業をあらわす小麦の穂と綿花の枝のリース。底部に、キリル文字で国名を記した国旗カラーのリボン。


ウズベキスタンの国名について

トルコ系民族のウズベク人「Uzbek」とペルシャ語の地名接尾語「-stan(国)」で、「ウズベク人の国」の意味。「ウズベク」はテュルク語で「自身が王」を意味する。


ウズベキスタンの歴史(略史)


ウズベキスタンは二重内陸国で、海に出るには国境を2回超えないといけない国のひとつです。(二重内陸国は世界に2ヵ国しかなく、もう1つはリヒテンシュタイン🇱🇮です)
古代よりオアシス都市が栄え、ウズベキスタン第二の都市サマルカンドは、紀元前から東西交易路シルクロードの交易地として発展しました。

8世紀頃からイスラム教が広まりましたが、1220年にモンゴル帝国のチンギス・ハンに侵略され、サマルカンドは破壊され住民の4分の3が殺されたといわれています。14世紀後半には、モンゴル族出身のティムールがティムール朝をおこし、西はイラク、東はアフガニスタンにいたる広大な地域を支配下に置きました。当時首都となったサマルカンドには、建築家や職人、学者たちが集められ、モスクやマサドラ(神学校)などが建てられ、イスラム文化の中心都市として発展。美しく輝く青いタイルを基調にした建物が多いことから、サマルカンドは「東方の真珠」と呼ばれ、今でも「青の都」として知られています。

19世紀にはロシア帝国に併合され、ロシア革命後はソビエト連邦に加入しましたが、1991年ソ連邦解体にともない独立。カザフスタン🇰🇿トルクメニスタン🇹🇲、タジキスタン🇹🇯、キルギス🇰🇬と合わせて、中央アジア5ヵ国と呼ばれていて、現在では、カザフスタンとともに中央アジア諸国のリーダー的な存在となっています。


  • 紀元前4世紀アレクサンドロス大王により制圧。6世紀にトルコ系民族に、8世紀からはアラブ系民族に支配され、イスラム教が広まる。
  • 13世紀にはモンゴル帝国に支配される。14世紀後半から15世紀には、ティムール朝が成立。ティムール朝以降、東方イスラム世界の中心地として、首都サマルカンドがさかえる。
  • 19世紀後半からはロシア帝国が支配し、1924年にウズベク・ソビエト社会主義共和国が成立する。
  • 1991年に独立を宣言し、ウズベキスタン共和国と国名を改める。
  • 2005年に起きた反政府暴動とその対応から、欧米との関係が冷え込み、ロシア・中国との関係を強めることとなる。近年は積極的に首脳外交を行い、欧米や国際機関との関係を改善しつつある。

ウズベキスタンの国データ



正式名称 ウズベキスタン共和国
英語表記 Republic of Uzbekistan
漢字表記 月即別
首都 タシュケント
略号 UZB
面積 44万7400㎢(日本の約1.2倍)
人口 3280万人


通貨 スム
言語 ウズベク語、ロシア語
民族 ウズベク系、ロシア系、タジク系、タタール系
宗教 イスラム教(スンニ派)など
独立年 1991年にソ連邦から独立
国旗の比率 1:2
在留邦人数
127人

Information


ウズベキスタン国旗

UZBEKISTAN
(3:5)


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